お知らせ

文豪たちに愛された熱海の名邸、起雲閣

日中はまだまだ厳しい暑さながら
朝夕の佇まいに近づく秋を感じる季節となりました。

グルメやアートへの関心も高まる秋は
歴史に育まれた和の美に触れる大人旅も楽しいもの。

当館からサンビーチ方面へ徒歩約20分。
ビルや商店が並ぶ市街地に忽然と現れる「起雲閣」は
「熱海の三大別荘」と称賛された大正時代の名邸です。

”海運王”と呼ばれた内田信也氏によって
1919(大正8)年に別荘として築かれた「起雲閣」は、
のちに”鉄道王”の異名を持つ実業家、根津嘉一郎氏の手に渡り、
1947(昭和22)年、桜井兵五郎氏によって旅館として開業。

山本有三や志賀直哉、谷崎潤一郎、太宰治、
舟橋聖一、武田泰淳といった
名だたる文豪たちが足繁く通い愛されてきました。

約3,000坪の敷地に建つ建物は
緑豊かな庭園を囲むように本館と離れ、
また日本、中国、欧州などの装飾や様式を融合させた
独特の雰囲気を有する洋館から成ります。

館内の随所はステンドグラスやタイルなどの
精緻な装飾が施された美意識の高さを感じるデザイン。
当時としては珍しいサンルームもあり、
アールデコのデザインが優雅な気品を奏でています。

旅館時代に客室として利用されていた部屋には、
起雲閣に訪れていた文豪にまつわる資料も展示。

緑豊かな庭園は茶人としても高名だった根津嘉一郎氏自らが
指揮をして造らせとされ、池の周囲に園路を巡らせ、
築山や小島を設けた「池泉回遊式庭園」で、
部屋からの眺望だけでなく散策の双方が楽しめます。

庭の中央に鎮座する巨石は20人以上の庭師が
2ヵ月近くをかけて運んだものでその重量は推定20tだとか。

細部まで贅を凝らしならも、華美に走り過ぎない
雰囲気にまとめられた格調高い雰囲気は
まさに色褪せない和の美を感じる素晴らしい邸宅です。

館内には旅館時代に使われていたバーの雰囲気を
そのままに残す喫茶コーナーもあり文人気分が楽しめます。

建物内は企画展以外、撮影もできるため、
写真や建築好きの方にとってもうれしいスポット。
やわらかな秋の陽射しのなか季節や時間帯、お天気によっても異なる
大正・昭和の時代浪漫をぜひじっくりとご鑑賞ください。

 

画像参照:
あたみニュース(熱海市観光協会公式観光サイト)
(https://www.ataminews.gr.jp/)

 

▽起雲閣
https://kiunkaku.jp/